ペンギン野郎でも分かる「重力波」

みとです。

今回はブラックホールの話をしていると必ず出てくる「重力波」について。

何のことかよ―分からんなんて人も多いのではないでしょうか。そんなペンギン野郎にみとの浅く儚い知識で懇切丁寧な説明をしてやろうと思います。

おっとその前に、未知なる重力波を理解しようとするときの前提を話したいと思います。それは僕ら人間にはこの重力波を感じることができないということ。そもそも重力の世界をこの目で見ることも、手で触ることもできません。空気と同じで、人間の五感ではほとんど知覚できないのです。そんなよく分からん世界を変態研究者が「仮定」と「理論」、そして「実験」の上で作り出したのが重力の世界です。しかも、重力の発生する仕組みは未だによく分かっていないということを頭に入れておいてください。

 

では、本題ですが「重力波」とはなんでしょう

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重力波を理解するためには重力場を知ると分かりやすいと思います。重力場とは重力の作用する空間、もっと簡単に言えば、この世界の空間そのものを指します。

イメージはこうです。あなたの目の前に一個のスポンジがあるとします。スポンジは空間です。そのスポンジの真ん中にボールを置いてください。そうするとボールを置いた部分がへこみますよね。へこんだ部分は他の部分よりも落ちくぼんでいるので、空間が曲がっていることになります。ボールがスポンジをへこませた力こそが重力です。つまり、重さ(質量)が空間を曲げる力が重力と言えます。そして、重力が作用するのが私たちの住むこの世界であり、重力場と呼んでいます。宇宙も例外ではありません。

さて、重力場についてイメージできましたか。スポンジのイメージを初めてできた彼女くらいの淡く切ない気持ちで大切にしてください。そうすれば、これから説明する重力波も理解できるはず。

先ほどのスポンジに話を戻しましょう。

さっきのスポンジに置いたボールを揺らしてみて下さい。スポンジどうなりますか? プルプルしますよね。それは力が伝わっているからです。実は重力波もそれと同じことなんです。質量のあるものが動くことによって起きる重力の変動。それが波となって重力場の中を伝わっている。これが「重力波」です。

蛇足ですが、アインシュタインの提唱した一般相対性理論から約100年、アメリカで人類史上初の重力波検知に成功しました。これってどんだけすごいことかというと……ニューヨークの自由の女神がいきなり動き出しちゃうくらいすごいことなんですよ。だって、変態アインシュタインが正しかったことが証明されたわけですから、しかも、その波動は水素原子約一個分の波動だったんです。いやあ、頭スパゲッティになっちゃいますよね。なんで、そんなに小さな波動だったのか。それは重力がこの世で一番弱い力であるからですが、それを説明し始めるとキリがないので、ここらへんでしめたいと思います。

世のペンギン野郎共よ。重力波についてなんとなく理解できたでしょうか。それでは、また。

 

掲載写真 GATAG

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